社長対談

社長対談 2020.10.07

SDGsの取組みを考える~日本翻訳センターにできることは何か~

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第一弾は国立大学法人千葉大学の田島翔太助教授と【SDGs】をテーマに対談を行いました。

【対談者】
田島翔太様
国立千葉大学 国際教養学部 助教授

SDGsとは、
持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すという、国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成されており,SDGsは発展途上国だけでなく,先進国自身が取り組む普遍的なものであるとして,日本でも取り組みが始まっています。
経済界においても、企業が積極的に経営に導入する動きがあり、大企業だけでなく、中小企業もSDGsの取組みがより必要になってくると言われています。
今回は、田島先生と一緒に【日本翻訳センター】が取り組むべきSDGsについて考えてみました。

SDGsは世界共通言語という認識

田島助教授
(以下田島)

SDGsという言葉はどちらかで聞いたことはありますか?

代表高畠
(以下高畠)

2018年くらいからときどき、官公庁や外郭団体からSDGs関連の仕事が入ってきたりしていました。
それから興味を持つようになって、個人的に調べていました。弊社としても、今後新規事業などを考えるうえで、需要がある分野だという捉え方をしています

田島

なるほど。御社の強みを私どものほうで検討したのですが…やはりグローバルな事業を行っていて、さまざまな自治体や企業さんと取引がある、という部分だと思います。
そういった中で、周囲を巻き込む形で…たとえば御社が何かSDGsに関することを言うことができればそれが結果的に周囲に伝播して、つながっていく可能性が高いのではないかと考えています。
そういった意味で言うと、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」がもっとも取組みやすいのではないでしょうか。

高畠

そうですね。いろいろな企業や官公庁とのコラボレーションを行うことで、
SDGsに取組んでいくイメージですね。

田島

SDGsは世界共通言語なので、この17の目標のアイコンを使っているだけで、
外国の方に「あ、こういうことをやっているんだ」ということが伝わります。
もうひとつ、長い歴史をお持ちということで、翻訳業界全体でSDGsに取組んでいくイメージ。その中でトップランナーになっていく、ということもできるかもしれません。

高畠

なるほど。そのためにはSDGsについてもっと詳しく知る必要がありますね。
改めて、本日はよろしくお願いいたします。

「誰ひとり取り残さない」という理念

田島

ではSDGsの概要から説明します。SDGsが始まったのが2015年です。
それ以前にはMDGsというものがありました。MDGsの基本的な概念として、「先進国が発展途上国を支援しましょう」というものだったんです。
そうすると先進国と途上国のバランスが悪くなる。だから、先進国や途上国といった括りをなくして、すべての関係性をイコールにして全員で取組むべき目標、という枠組みで作られたのがSDGsです。
だからこそ、国や自治体、大企業だけではなく、中小・零細企業も取組んでいかなければならないし、企業の役割も求められていく、といったものになります。そして、SDGsの理念が「誰ひとり取り残さない」というもの。たとえばMDGsの場合は、「飢餓に苦しむ人を半分に減らしましょう」といった現実的な目標を掲げていたのですが、SDGsではそれを「0にしましょう」というように、野心的な目標に変わっています。

高畠

私たちが取組む目標として17個の目標が設定されているわけですね。

田島

そうですね。17の目標はそれぞれがそれぞれに絡み合っているので、切り分けることはできないとされています。ただ、目標の1が「1.貧困をなくそう」から始まりますし、国連が発表した「2030アジェンダ」のスタートの文章が貧困の解決というところから始まることもあり、もっとも重要な世界的な課題として「1.貧困をなくそう」です。
その上で環境の問題というのも、すべての目標に対して環境問題との関係が謳われていることもあり、とても重要な問題として認識されています。

高畠

そうなんですね。私たちの仕事でも、環境に関する翻訳があったりして、直接的ではないにしろ、間接的には関わっていたように思います。その仕事をやっているときは、「SDGsの目標達成に貢献している・関わっている」という意識がなかったので、もったいないですね。会社としても、そういう意識を持つことで、見えてくるものが変わってくるのではないかと思います。

田島

それからSDGsの基本的な構成として、17の目標の下に「ターゲット」と呼ばれる細かい内容があります。これを読み込むことでSDGsの理解はかなり深まると考えています。ただ、国連が発表している内容は、あくまでも国際目標なので、このターゲットに対してアプローチしていきましょう、というものではなく、これを参考にして自分たちなりの目標をたてましょうというのが重要なことです。

高畠

目標を達成するための方法や手段として、ターゲットがあるイメージでしょうか?

田島

そうですね。17の目標を達成するための指針…というものがターゲットという捉え方でよいと思います。大きな目標を達成するために、いくつかの小さな数値目標を設定するイメージですね。

高畠

なるほど。

田島

高畠さん自身、海外での経験もあるでしょうから、グローバルな課題に対して、かなりスッと入ってくるのではないでしょうか?

高畠

それはありますね。取引先の翻訳者の方や、関連企業の方なども意識している部分ではあると思うので、そこをステップアップにしていくというのは重要ですね。

田島

そうですね。大学で教えている関係で、20歳前後の学生と関わることが多いのですが、社会課題に対する意識がすごく高まっていることを感じます。企業にとっては、対外的なことだけではなく、今後は採用のときなどにもSDGsが大きな要素になっていくようにも感じています。

目標がつながっていく「インターリンケージ」

田島

SDGsに取組むうえで「インターリンケージ」という言葉が重要になってきます。これは「ひとつの課題を解決することで、他の目標解決につながっていく」という考え方。ですから、社員さんたちとSDGsについて話をして「うちの会社は目標の〇番に合致している」ということをやっていって、そこからパズルみたいに「これはこの目標にもつながっている」という図を作っていくと、知らないうちに拡がっていきます。

高畠

なるほど。私たちの課題としては、仕事を受注して忠実に翻訳することで成果物とするのですが、お客様のところでどのような課題を抱えているか、今どのようなお困りごとがあるのか把握できていない、という部分があります。なので、SDGsというものを通して、何らかの働きかけができれば、とは考えています。

田島

私も研究論文を書く際などに翻訳サービスをお願いすることも多いです。そうすると、単純に翻訳するだけではなく、「この分野はこうだから、こうしたほうがいい」みたいなリコメンドをいただいたりもします。いわゆる翻訳企業としてのプラスαのサービスですよね。だからこそ、企業としてSDGsなどの社会課題に関心を高めて、情報発信をし続けることで顧客を獲得できるかもしれませんよね?

高畠

そういったことを含めて、提案営業の強化というのが現在の課題だと考えています。SDGsの17のゴールというのは、どなたが聞いても重要なことだと思うので、取組まれていない企業様に「こういうこともあって」というご紹介をしつつ、提案できるようにしていきたいですね。

田島

そうですね。私自身、千葉県の長柄町という小さな町に住んで、地方創生活動を行っています。SDGsとかエシカルな考え方というのは、地方のブランディングにもつながってきます。今までの価値観が大きく変わろうとしているからこそ、伸びていく可能性があると思います。

高畠

地方ですと、こういった活動がよけいに際立ちそうですね。仰るように、これから小規模な事業者や中小企業もどんどんこういった取組を行って、発信していかなければいけない時代がくるように思います。

田島

社内で取組んでいるだけではダメで、それをいかに情報発信して外部に知ってもらうか、というのは非常に重要です。しかもこれからは国内だけではなく、海外にも発信していかなければいけませんし。

高畠

そう考えると、今のうちからSDGsに真剣に取組むことで、ビジネスチャンスが拡大するかもしれませんね。

田島

SDGsのビジネス規模は、今後1500兆円くらいまで拡大するとも言われています。さまざまな事業機会が生まれてくると考えられています。

高畠

以前は大企業の取組みというイメージでしたけど、これからは我々の規模とか、もっと小さい個人でも取組める内容なので、参入しやすいですし、ぜひやってみたいです。

自分たちの目標を明確にしておくこと

田島

SDGsに取組む際のテクニック的な話として、自分たちの目標を明確にしておくことで他の方たちが理解しやすくなったり、ついていきやすくなります。御社がどういったふうに攻めていくかという中で、「17.パートナシップで目標を達成しよう」が一番スッと入ってくるところです。SDGsをきっかけにして、広くいろいろな企業とつながっていくことがいいのかと思います。

高畠

目標達成のためにという視点があると、ずいぶん変わってきますね。

田島

翻訳の言語としては、やはり英語が多いですか?

高畠

英語が半分以上ですね。それから中国語や韓国語。最近は、幅広い言語の需要が出てきています。

田島

途上国の言語なども扱っているんですか?

高畠

もちろんです。どんな言語でも対応できることが、弊社の強みのひとつですので。
フィリピンやタガログ語だったり、珍しい言語で言うとダリー語というのがありました。アフガニスタンのほうの言語ですね。

田島

そういった翻訳者さんたちとの関係性も、ひとつのパートナーシップですよね?

高畠

そうですね。長いおつきあいになることを前提として考えています。

田島

個人の翻訳者さんでもいいのですが、その方々向けに「当社はこういう取組みを始めました」ということをお知らせするのもいいかもしれませんね。

高畠

たとえばSDGsについて少し知ってもらうとか。

田島

私も海外に住んでいたことがあるのですが、多言語を扱ったり、海外での生活経験がある方というのは、SDGsについてもアンテナを張っていたりするのではないでしょうか。そういった方を集めて、たとえばオンラインで話すという場を作ると、いろいろな話題が出てきそう感じはします。

高畠

確かに。翻訳者を集めてSDGsを語る…。面白そうです。

田島

翻訳者さんから選ばれる会社づくりのためにもいいかもしれません。

高畠

近年は、オンライン上で仕事が完結してしまうので、わりとお目にかかる機会が少なくなってきているのは感じています。だからこそ、やってみたいですね。

SDGsをビジネスに使い、社会に還元する

田島

本日は、まだイントロダクションと「17.パートナシップで目標を達成しよう」の表面的な話だけになってしまった感もありますが…。

高畠

いえいえ。いろいろなアイデアもいただきました。

田島

具体的な落とし込みを始める際に、さまざまなクエスチョンが出てくるかもしれません。

高畠

またうかがわせていただきます。お話をしながら、取引先の翻訳者さんたちとの関係も強化できるかもしれない、という手ごたえもありましたし、お客さまへ関連するご提案をできるのではないか、ということもすごく感じました。弊社の取組としても、いい意味で販促になると思いますし、実際に取組むことで社内の意識も変化してくるだろうと期待しています。

田島

SDGsは日本社会全体で盛り上げなくてはいけない話なので、翻訳という業界の中であまり広がっていないのであれば、御社が率先してトップランナーになることですそ野が広がっていくのではないか、とも思います。SDGsをビジネスにするというのは世界的に奨励されていることですし、それで雇用を増やしたり、社会に還元してください、というのが大きな考え方なので、前向きに取組んでいただきたいと思います。

高畠

本日は、貴重なお話をありがとうございました。

最後に

田島先生との対談を通して、【SDGs】をテーマに弊社がこれから取り組めることは何か?を考えられたと思います。
社内で取り組めることはもちろん、【コミュニケーション】を軸に、社内外の様々な繋がりを通じて、社会に良い影響を与えられる企業となれるよう、より一層努めていきたいと考えております。
弊社ではSDGs関連の翻訳も対応しておりますので、まずは是非お気軽にご相談ください。

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