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コミュニケーション 2021.04.23

異文化を考える時に⑥ 
~実践!現地化(localization)を進める~

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皆さまこんにちは、日本翻訳センターK.A.です。

このブログコーナーは、私たち(翻訳者の方々および社員)が、
日頃から触れている翻訳やその他業務を通じて感じることを
海外とのビジネスや交流に関して、そのヒントになっていただければ、と思い発信をしていきます。
お気軽にお読みいただき、皆さまの何らかの参考になりましたら幸甚です。

今回は「異文化を考える時に」シリーズの6回目最終回、
取り上げるテーマは「実践!現地化(localization)を進める」です。

今回は前回5回目「相手の文化歴史を学び、共通点を見つける」から引き続き、
実践に向けた取り組みの紹介として
主に海外駐在地で活躍する際にヒント参考になる話題2点ご提供したいと思います。

異文化を考える時に⑥
~実践!現地化(localization)を進める~

現地で活躍するためには
外国人といった心理的なバリヤー取り除き、現地化をしていく」ことが重要です。

「それは分かっているけど、
では実際にどうすれば現地化(localization)を進めることができるのか?

ここでその具体的なエピソードを2つ、ご紹介します。

Episode1 「同じ道での出勤は禁止」

これは私が初めて海外駐在を米国でした時に受けた支店長からの指示です。
私の駐在地はテキサス州のダラス、
あのケネディ大統領暗殺事件で有名な場所で、
日本人的には「治安は大丈夫?」とよく聞かれる場所ですが
(これは「ステレオタイプ」ですね。参照はこちら )、
全くそんなことはありません。

海外では日本以上に安全な場所と危険な場所の明確な差があります。
その点さえ留意すれば、ダラスも安全な都市です。

さてそのダラスにて、初めての駐在で右も左もわからない状態の中、
米国駐在員としての最初の仕事は、現地での運転免許を取ることでした。
実技は簡単でしたが、筆記試験は試験会場に辞書を持ち込み、
何とか米国の運転免許を取得しました。                                  
(この写真はあの有名な暗殺の場所)

そして免許取得後に出されたのがこの指示、
当分の間、住まいのアパートから会社へのクルマ出勤は、同じ道で通うな」でした。

指示が出された瞬間は正直、「面倒だな、最短で行くのが効率的なのに」と感じましたが、
後々考えると非常に良い指示だったと思っています。

地元を良く知るためにも、道路工事や事故渋滞時にうまく迂回するためにも、
様々なリスクマネジメントへ柔軟な対応をするためにも、
より多くの道路や行き方を覚えることは非常に有益であり、これは的確な指示でした。

さらにこの副産物として、
現地のスタッフと雑談をする時に「そのお店は、あの道のところだね」といった反応ができるようになり、
スタッフから「よく知っているね」とのお世辞(!)も含めた反応に、嬉しくなった記憶があります。

皆さまも車社会の地域や地下鉄が発達し複数のルートがある地域に行かれた際には、
少し地元に慣れた時点で、ぜひとも十数通りの通勤路開拓をしてみてください。
きっと現地での生活に、なんらかのプラスの面が出てくると思います。

Episode2 「この予算で美味しい店に連れていってください」

この話は私自身の話でなく、
ある企業様と海外赴任前研修の打合せ時に、そちらの役員の方の体験談としてご紹介戴いた話です。

その役員の方は、現地で働く日本人スタッフへの指示と激励のために海外出張をなさいます。
「本社から役員が来る」となると
会議内容の準備以外にも、
用意するホテルや食事等々においても失礼があっては大変(自分の査定にも響く・・笑)と、
受け入れる現地側のピリピリ感、
私も駐在員であったのでよく分かります。

そこでその役員の方は
「そうだ、食事は予算○○円程度で、美味しい店に連れて行ってください」との指示を出すそうです。

この○○円が安いこと安いこと、
「経費は削減しなさい」という本社の意図も言外にあるかもしれないですが、
それ以上に、ここで現地化のlevel感が分かるそうです。

安くて美味しい店は、現地スタッフと行かない限り分かりません。
単にスタッフに聞いた受け売りだと、安くても日本人の口に合うかどうかは、わかりません。
(まあ、そもそも自分が試食もしていないのに、
役員の方にこのお店は美味しいですという度胸は、
一般の駐在員は持てないとも思いますが)

日頃から現地のスタッフと地元ならではのお店に行き、一緒に食事をすること。
そのことが現地スタッフへのマネジメントを含めた相互理解にも、ご自身の現地化を進めるためにも重要になってきます。
それを端的に確認ができるなかなかの依頼(指示)であると、
この話を伺った時は感心してしまいました。

皆さまも現地の美味しい店はホテルからの案内やガイドブックのみではなく、
実際に生活している現地の方に直接聞いてみる
こちらも試してみると、楽しみながら現地化(localization)を進めることができるのではないでしょうか?

最後に

今回を含めて全6回分の「異文化を考える時に」をお読みいただき、
本当にありがとうございました。

今回でこちらのシリーズは完結ですが、
また「ちょっとした気付きやきっかけ」をお送りできる新たな企画を考え、
発信していきたいと考えております。

またお目にかかる日まで、
よろしくお願いいたします。

おわり

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