多言語対応は社内で内製?外注?迷うときの判断基準は?
皆さまこんにちは。
日本翻訳センターのRです。
今年も美しい桜の季節になりましたね。
そして、桜とともにやってくるのが新年度です。
新たに配属された部署で「多言語対応」の必要に迫られた方、
または改めて対応の仕方を考えてみようと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「社内に英語ができる人がいるから内製でいいのでは?」
「AI翻訳もあるし、外注はコストがかかるのでは?」
英語訳や多言語対応を進める際、
このあたりで迷われる企業は少なくありません。
実際のところ、内製と外注のどちらが正しいというよりも、
内容や用途によって適切な選択が変わるというのが現実に近いところです。
本記事では、実務においての判断の考え方をご紹介したいと思います。
皆さまのお役にたてましたら幸いです。
内製と外注の基本的な考え方
まず前提として、文書を多言語対応にする場合、
いくつかの目的があると思います。
情報共有、対外発信、契約や規程の整備など、
用途によって求められる精度やニュアンスは大きく異なるのではないでしょうか。
そのため、
判断の軸はシンプルに言えば次の2点です。
• その文書は誰に向けているか?
• 誤解が生じた場合の影響はどの程度か?
この2つを起点に考えると、内製と外注の使い分けが見えやすくなると思います。
内製が比較的向いているケース
以下のようなケースでは、社内対応でも問題になりにくいことが多いです。
• 社内向けの資料
• 一時的に使う情報(更新頻度が高いもの)
• 内容はだいたいわかればよい、とにかくスピードを優先したい場面
• 担当者が内容を十分に理解している場合
• 言語をチェックできるスタッフがいる
このような場合は、多少の表現の揺れや不自然さがあっても、実務上の支障は限定的です。
AI翻訳や社内人材を活用することで、
効率的に進められることも多いでしょう。
外注を検討したほうがよいケース
一方で、次のようなケースでは外部の翻訳会社等を活用したほうが安心です。
• Webサイトやパンフレットなど外部に公開する内容
• 契約書や規程など、解釈に影響が出る文書
• 企業イメージやブランドに関わる表現
• 複数言語で展開する必要がある場合
• 長期間使用するコンテンツ
これらは「意味が通じるかどうか」だけでなく、
どう受け取られるかが重要になります。
そのため、言語面だけでなく、文脈やニュアンスを踏まえた調整が求められます。
判断がぶれやすい場面
実務では、内製か外注かの判断が揺れやすい場面があります。
たとえば、
「内容はそれほど難しくない」
「社内で一度訳している」
「AIで大まかに形になっている」
といった状態です。
このような場合、一定の形にはなっているため判断が後回しになりがちですが、
最終的に外部に出すかどうかによって、求められる精度は大きく変わります。
その結果、公開直前になって見直しが必要になるケースも少なくありません。
いずれも、
“ある程度できている状態”が判断を難しくしているケースといえます。
ここでは、こうした場面で見られる傾向をいくつかご紹介します。
・社内で作成した英語のまま公開してしまう
内容は概ね伝わるものの、どこか不自然で、読み手に違和感が残るケースです。
一つひとつは小さな違いでも、
積み重なると印象や信頼性に影響することがあります。
・AI翻訳をそのまま使用する
近年のAI翻訳は非常に便利で、短時間で文章を整えることができます。
一方で、「正しいが読みづらい」状態になることもあり、
特に対外発信では仕上げの調整が重要になります。
また、AI翻訳ではまれに、原文にない内容が生成されてしまう、
いわゆる「ハルシネーション」と呼ばれる現象が見られることもあります。
頻度は高くありませんが、内容によっては見過ごせないため、
最終的には内容を理解できる人による確認が安心です。
IBM|AIハルシネーションとは
・外注したが前提情報が不足している
外注自体は適切でも、背景や用途が十分に共有されていないと、
意図と少しずれた表現になることがあります。
翻訳は単なる言語の置き換えではなく、
目的や読み手に応じた調整を含む作業であるため、
前提情報の共有が仕上がりに影響することがあります。
コストの考え方
内製か外注かを検討する際、コストは大きな要素だと思います。
ただし、単純な翻訳費用だけで比較するのではなく、
• 社内工数
• 確認・修正の手間
• 誤解やトラブルの可能性
といった点も含めて考えると、判断しやすくなるのではないでしょうか。
特に外部公開物については、
「どこまで正確さや自然さが必要か」という観点で整理するのがおすすめです。
簡易チェックリスト
判断に迷う場合は、以下の観点で整理してみてください。
• 外部に公開する内容か
• 誤解された場合の影響が大きいか
• ブランドや印象に関わるか
• ネイティブ話者が主な読者か
• 長期間使う予定か
いくつか当てはまる場合は、外注も選択肢に入れると安心です。
まとめ
多言語対応においては、
内製と外注をどちらか一方に決めるというよりも、
用途ごとに使い分けることが現実的です。
スピードやコストを重視する場面では内製、
リスクや品質が重要な場面では外注、
という形で整理しておくと、判断がしやすくなります。
日本翻訳センターでは、
「この内容はどこまで対応すべきか迷う」
「翻訳はあるが、このまま使って問題ないか不安」
といった段階でもご相談いただけます。
原稿の用途や想定読者を踏まえ、
内製・外注の判断も含めて整理することが可能です。
必要に応じて、翻訳や調整のご提案も行っておりますので、
お気軽にご相談ください。
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