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豆知識 2023.08.11

世界に誇る日本の技術優位性を考える

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皆さまこんにちは、
日本の有する技術、デザインがとても好きな営業企画部Sです。

前回のブログでは、IT分野で中国に後れをとる日本が、
中国にも負けない、世界をリードする「水」に関する技術を紹介しました。
中国語の出張ビジネスメールと日本の中国進出 | 日本翻訳センター (jtc.co.jp)

今回も引き続き、日本が世界に誇る優位性のある技術をご紹介いたします。

世界に誇る日本の技術優位性を考える

目次
1. 綺麗すぎるゴミ焼却施設
2. 日本のゴミ焼却施設の海外展開
3. 終わりに

1. 綺麗すぎるゴミ焼却施設

日本の技術が世界をリードするもの、それがゴミ焼却施設です。

日本のゴミ焼却施設は5000箇所以上(2022年時点)
所有数2位のアメリカに大きく差をつけて、世界のゴミ焼却施設の半分が日本にあります

観光客が日本の綺麗さに驚くというのは、ご周知の通りかと思いますが、
日本人の綺麗好きは、世界の空港の清潔度ランキングに如実に表れています。
Skytraxの調査によるランキング「World’s Top 100 Airports 2022」では、
TOP10のうち日本の空港が3つもランクインしているのです。


出典
Los 100 mejores aeropuertos del mundo en 2022 | SKYTRAX (worldairportawards.com)

そんな日本において、世界から「綺麗すぎるゴミ焼却施設」と注目されているのが、
広島市環境局施設部中工場です。


出典
環境局 施設部 中工場 – 広島市公式ホームページ|国際平和文化都市 (hiroshima.lg.jp)

建物の設計デザインは、世界的な建築家の谷口吉生さん

近代建築理論家の巨匠ル・コルビジェに師事した丹下健三さんの
丹下健三都市・建築研究所での勤務を経て独立。

ニューヨーク近代美術館・新館の設計も手掛けた、
“美術館の名手”と呼ばれる建築家です。

このゴミ焼却施設は、高いデザイン性を有する著名な建築家による設計とあって、
「綺麗すぎるゴミ処理場」として、観光スポットにまでなっています。

観光客は国内にとどまらず、インバウンドの獲得にも成功しています。

そしてこのゴミ焼却施設、なんと年間4億円も稼いでいるのです。
焼却の際に必要な火力を二次利用して電力を生み出し、
その電力を電力会社へ売却、年間に4億円相当の余剰電力を作り出しています。

さらには、高温完全焼却、ろ過式集塵機、ガス吸収塔、触媒脱硝装置などを設置し、
排ガス中の煤塵やダイオキシンをはじめとする有害物質を除去し、
騒音や悪臭を外部に出さない構造になっているようです。

つまり、
ゴミ焼却施設の建設における一般的な問題点(悪臭、有害物質、大気汚染、農作物への影響など)をクリアし、
かつそのデザイン性の高さから観光スポットとして街・経済を活気づけているのです。

これぞ、日本の世界に誇る技術。

2. 日本のゴミ焼却施設の海外展開

日本製のゴミ焼却設備は、高効率で有害物質の防止など環境技術に優れ、
世界的にも高い評価を受けています

広島の綺麗すぎるゴミ焼却施設は三菱重工の設計ですが、
日立造船は業界の世界シェアNo1を誇っており、
全世界にゴミ焼却・発電施設を累計458施設も納入しています。

現在の実績からみても、この分野の技術では、やはり日本は世界のトップと言えそうです。

日本の技術は高く評価され、
中国の北京をはじめアジア各国でも、過去に日本のゴミ焼却施設の導入事例はある一方で、
オーバースペックで値段も高い」という理由から
日本製のゴミ焼却施設は敬遠される事もあるようです。

この価格差を埋めるために、観光客も集客できる付加価値のついたデザイン性は、
十分に理にかなっているのではないでしょうか。

過去の導入事例(一部)

参考 廃棄物処理・リサイクル事業の海外展開 環境エコノミスト 西脇文男

ところで、ゴミ焼却施設で燃やした後にでた灰が
再利用されていることはご存じでしょうか。

ゴミ焼却による灰を、冷まして固めたものを「エコスラグ」といいます。
850度の高温で完全焼却すればダイオキシンは出ず、
1200度以上の熱で溶かして冷却すると、スラグになります。
スラグは、レンガ・タイル、道路に使用する砂などに使用されます。

また、灰をセメント材料にして、セメント会社に売る自治体もあれば、
資源化し土壌改良材として、農業や造園などで活用するケースもあります。
再利用しない場合には灰のまま埋め立てをします。

世界第三位の広大な国土をもつ中国や、
まだまだインフラ整備が必要な国や地域において、
ゴミ焼却によりでた灰をセメント材やタイル・道路用砂として、
有効利用することが大いに期待できます。

例えば中国では、法律で外国からのゴミ輸入を禁止しています。
しかし日本のゴミ処理場パッケージを導入することで、
中国でもゴミ処理による電力を販売しながらインフラ整備が進むのであれば、
日本中国ともにwin -winの関係になれるのではないでしょうか。

日本のゴミ処理場パッケージに、ゴミ輸入の他にもう一つ障壁が有るとすれば、
それはゴミへの意識の違いではないでしょうか。

冒頭の空港清潔度ランキングのように、日本は特に環境や衛生に対する関心が強い国です。
一方で、中国に限らず多くの国ではそれらの意識に大きな違いがあり、
日本ほどの清潔度を求められていない現状があります。

ただ、経済発展により社会基盤が構築され、公衆衛生もそれに伴い向上する事は、
これまでの歴史が実証しています。

今後はゴミ焼却施設も同じように、
有害物質や悪臭を出さない技術、
観光スポットにもなりえるデザイン性も伴った施設が増えていくのではないでしょうか。

3.終わりに

ゴミ処理場パッケージの売り出しは、言うは易く行うは難しであることは承知していますが、
日本の技術やデザイン・特有の美意識は、
やはり世界でも競争力がまだまだあると、胸を躍らせてしまいます。

先日、プラント施設に関する翻訳のご依頼をいただきました。
日本翻訳センターでは、
技術資料の翻訳も承っております。

ご入用の際には、
ぜひ お声がけくださいませ。

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