AI翻訳、そのまま公開して大丈夫ですか?
翻訳会社による「AI翻訳チェック」とは
皆さまこんにちは、日本翻訳センターのRです。
梅雨に入る前のさわやかな日が続いていますね。
今日はAI翻訳の活用に関するお話です。
AI翻訳や機械翻訳を使えば、外国語の文章を短時間で作成できるようになりました。
社内資料、Webサイト、パンフレット、メール文面、展示会資料など、仕事の中でAI翻訳を使う場面も増えています。
「まずはAIで訳してみる」
そんな使い方は、もう珍しくありません。
ただし、そこで気になるのが、その訳文をそのまま外部に出してよいのかという点です。
意味は大きく外れていなくても、専門用語がずれていたり、表現が少し不自然だったりすることがあります。
読み手に誤解を与えたり、企業としての印象に影響したりする可能性もあります。
そこで役立つのが、AI翻訳後の文書を第三者の視点で確認する「AI翻訳チェック」です。
目次
AI翻訳は便利。でも用途によって注意が必要です
AI翻訳は、内容を素早く把握したり、社内で下訳として使ったりするにはとても便利です。
社内共有用の資料や、概要を確認するための文章であれば、大きな助けになります。
一方で、企業が外部に出す文書では、「意味がだいたい通じる」だけでは不十分な場合があります。
たとえば、次のようなことが起こることがあります。
・専門用語が社内の表記と違う
・同じ言葉がページごとに違う訳になっている
・日本語の意図と少し違う意味になっている
・読み手にとって不自然な表現になっている
・企業名、サービス名、制度名などの固有名詞が適切に訳されていない
・法務、品質、安全に関わる箇所で誤解が生じる可能性がある
AI翻訳は便利な手段ですが、すべての文書に同じように使えるわけではありません。
文書の目的や公開範囲に応じて、
どこまでAI翻訳を活用するかを判断することが大切です。
AI翻訳チェック(MTPE)とは
AI翻訳チェック(MTPE)とは、お客様がAI翻訳・機械翻訳で作成した外国語文書について、翻訳会社の視点から確認し、
気になる点や今後の対応方法をご提案するものです。
※MTPEとは、AI翻訳や機械翻訳で作成した訳文を、人が確認・修正して仕上げる方法です。
最初から人がすべて翻訳するのではなく、機械翻訳を下訳として活用し、誤訳、不自然な表現、用語の揺れなどを修正します。
ここでいうチェックは、単なる誤字脱字の確認ではありません。
原文の意図が正しく反映されているか。
公開文書として違和感がないか。
用語や表記に揺れがないか。
文書の目的に合った表現になっているか。
こうした点を確認します。
また、その文書がAI翻訳やMTPEに向いているのか、それとも通常の人手翻訳をおすすめした方がよいのか、
といった点も必要に応じて確認します。
大切なのは、単なる「添削」ではなく、今後の使い方にもつなげることです。
「この文書ならAI翻訳+人のチェックで対応できそうです」
「この部分は誤解を招く可能性があるため、人手翻訳をおすすめします」
「今後は用語表を整備した方がよさそうです」
このように、目の前の文書だけでなく、今後の外国語文書作成にも役立つ視点もお伝えできます。
社内で確認できるなら、それが一番です
AI翻訳を使った文書でも、社内に外国語や専門分野に詳しい方がいて、
内容をきちんと確認できる場合は、社内チェックで十分なこともあります。
特に、社内向けの参考資料や、概要を把握するための文書であれば、
必ずしも外部に依頼する必要はありません。
一方で、次のような場合は注意が必要です。
・確認できる人が社内にいない
・担当者が忙しく、十分に確認する時間がない
・外国語として自然かどうか判断しにくい
・専門用語や表記の統一に不安がある
・外部公開する文書なので、念のため確認したい
・AI翻訳でよいのか、人手翻訳にすべきか迷っている
こうした場合は、
外部の目を入れることで、公開前の不安を減らすことができます。
AI翻訳チェックは、社内の確認作業を置き換えるものではありません。
社内で見きれない部分を補う、もう一つの確認手段です。
AI翻訳に向いている文書・注意が必要な文書
AI翻訳やMTPEを活用しやすい文書には、ある程度の傾向があります。
たとえば、社内向けの参考資料、定型的なマニュアル、技術文書の一部、既存訳や用語集がある文書、
表現よりも情報伝達を重視する文書などは、AI翻訳を活用しやすい場合があります。
一方で、注意が必要な文書もあります。
Webサイト、パンフレット、広報資料、プレスリリース、採用ページ、観光案内、ブランドメッセージ、
経営者メッセージ、契約書、社内規程、品質・安全に関わる文書などです。
これらの文書では、正確さだけでなく、読み手に与える印象も重要です。
意味は通じていても、文章がぎこちなければ、企業の信頼感や魅力が十分に伝わらないことがあります。
特に外部に公開する文書は、「間違っていない」だけでは少し足りません。
誰に、何を、どのように伝える文書なのかを考えたうえで、確認する必要があります。
「コスト削減」よりも大切なこと
AI翻訳やMTPEというと、「翻訳費を削減できる」という面が注目されがちです。
もちろん、文書の種類や用途によっては、コストを抑えられる場合もあります。
ただ、企業の皆様が考えていらっしゃるのは、単に安くすることだけではないのではないでしょうか。
大切なのは、AI翻訳を使ってもよい文書と、慎重に扱うべき文書を見極めることです。
誤訳によって商品説明が不正確になる。
採用ページの表現が不自然で、企業イメージが伝わらない。
観光案内の文章がぎこちなく、せっかくの魅力が薄れてしまう。
契約や品質に関わる文書で、誤解を招く表現が残ってしまう。
こうしたことは、翻訳費だけでは測れない損失につながります。
AI翻訳を安心して使うためには、必要な場面で人が確認する仕組みがあると安心です。
まずは小さな範囲で確認することもできます
AI翻訳の品質に不安がある場合、最初から大量の文書を依頼する必要はありません。
まずは一部の文章を確認し、どのような問題が出やすいかを見るだけでも、今後の判断に役立つかもしれません。
たとえば、短い原稿を確認して概要コメントをお伝えする簡易的なチェック、
数ページ程度の文書を指摘表つきで確認するチェック、実際に修正を行って納品用の品質に整える本格的なチェックなど、
目的に応じた確認方法が考えられます。
また、継続的にAI翻訳を活用する場合は、用語表や表記ルール、確認フローを整備することで、品質を安定させやすくなります。
まとめ:AI翻訳は、チェックと組み合わせてこそ安心して使える
AI翻訳は、企業の外国語対応を助ける便利な手段です。
ただし、外部に公開する文書や、企業の信用に関わる文書では、そのまま使えるかどうかを慎重に見極める必要があります。
社内で確認できる場合は、まず社内で確認するのがよいでしょう。
ただし、確認できる人がいない、時間がない、判断に迷うという場合は、外部のチェックを活用する方法もあります。
日本翻訳センターでは、AI翻訳・機械翻訳を利用した外国語文書について、
誤訳、不自然な表現、用語の揺れ、公開前の確認などのご相談を承っています。
「このまま公開してよいか不安」「社内で確認する時間がない」「AI翻訳をどう使えばよいか迷っている」という場合など、
まずはお気軽にご相談ください。
また、企業でのAI翻訳の利用についての注意点などは以下のリンク先が参考になるかと思います。
よろしければご参照ください。
AI翻訳の利用について
AI翻訳を業務で使う場合は、便利さだけでなく、リスクや社内での確認体制も考えておく必要があります。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」でも、AIを安全・安心に活用するための考え方が示されています。
独立行政法人情報処理推進機構|生成 AI のセキュリティリスクと対策プロジェクト
また、AI翻訳を使う際は、訳文の品質だけでなく、入力する情報にも注意が必要です。社外秘情報や個人情報を外部サービスに入力してよいかどうかは、社内ルールを確認してから利用することが大切です。
総務省 経済産業省|AI 事業者ガイドライン(第 1.2 版)
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